スーパーでも生食用のたこ刺しを売っていますが冷凍されているものが多く、食べる際水分が出てしまうものが多いです。やはりたこ刺しは新鮮なものに限りますね。去年の年末茨城県にある大洗漁港に海鮮を買いに行ったのですがその時に食べたたこ刺しがなんとも言えないおいしさでした。鮮度がいいのはもちろんですが甘みがありほどよい歯ごたえで山葵醤油との相性が抜群でした。お店の人に話を聞いたところポン酢で食べるとよりさっぱりした味でサラダと一緒に食べるとまた一段とおいしいそうです。私はたこの刺身、いわゆるたこ刺しが大好きです。刺身といっても生だこではなく、ゆでだこの刺身が好きです。たこのぶつ切りであるたこブツも好きですが、たこ刺しをある独特な食べ方で食べるのが好きなのです。それは、まず、スーパーで太めの足のゆでだこを買ってきて、その吸盤部分だけを切り取ります。そして、まず足の身の部分だけを刺身で食べて、残った吸盤を集めて一気に口に入れて食べます。そうすると、吸盤のコリコリ感が何とも言えぬ触感となって病みつきです。
500ページにも及ぶ大部のビジネス書にもかかわらず、異例のベストセラーとなった「ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件」(東洋経済新報社刊)の著者、楠木 建氏は「自分が楽しめない、面白がれない話で人と組織を動かしビジネスをしようというのは、ほぼ犯罪行為だ」と話す。
なぜなら、面白くない、つまらない、楽しめないストーリーによって作られたビジネスプランは、ほぼ成功したためしがないからだ。うまくいかないビジネスに無理やり付き合わされて、疲れるだけの毎日を送らされるなんて、確かに犯罪に近いのかもしれない。
「しかしね。楽しい、面白いなんて言いながらうまくいくビジネスなんてあるのかね」思わずそんなふうに反論したくなる向きもあるだろう。また「あのね。うまくいくから楽しいし、面白いんだよ。儲かるから楽しいのであって、最初から面白い話なんてあるわけない」なんて反応もあるだろう。
「戦略の神髄は、思わず人に話したくなるようなストーリーにある」と一橋大学大学院 国際企業戦略研究科教授の楠木氏は話す。ビジネス戦略論を語ろうとしているのである。おとぎ話のようなビジネス論をしたいのではなく、持続的に利益を生み出す企業が持つ戦略は、思わず身を乗り出し、「それで? その次はどうしたの?」と聞きたくなるストーリーを持っていると言いたいのである。
●けもの道を走る経営者とそれを見つめる学者
ビジネスの現場では、頻繁に「戦略」という言葉を使う。国家の軍事も戦略だが、スーパーマーケットが来週から通常より30%引きの白菜を売るということも戦略という言葉で語られることがある。言葉の意味や使い方をはっきり線引きしましょう、というのではなく、楠木氏はどんな戦略もストーリーを持っているという立場でわれわれに語りかける。
楠木氏は経営の実務に携わる人々からの批判について、次のように話す。
「『学者が後付けで話す理屈なんて役に立たないよ。実際の経営はそんなものじゃない』。そう言われることはあります。実際、経営者の方たちは長年培ってきた野生の勘を頼りに、ビジネスというけもの道を走っているわけです。会社を経営したい、ビジネスで儲けたいなんてこれっぽっちも考えていない私には同じ視点には立てないのです」
では、現実の経営に役立つ戦略論なるものは、本当は存在しない?
楠木氏はこの問いに対して、こんな説明をする。
「けもの道を走っていない人間には、ひたすら走り続けている人には見えないものが見えるんですね。戦略というのは、無意味と嘘の間にあるものです。嘘というのは、『ぜったい成功する●●の法則』といった類の話です。法則というのは科学的に裏付けられたもの。ぜったいに成功する科学的に裏付けられた方法などはありません。しかし、法則はないけれど、論理は存在する。無意味ではないのです。実務でけもの道を走り続けている経営者の判断、社員の動き、これらを説明する論理は必ずどこかにあるのです」
つまり学者はこの論理を見極めるのが仕事だと楠木氏は言いたいのだ。そして論理は、「ここでこういう判断をして、それに対して、次のように動いたから、こうした結果に至った」という因果関係で構成される。因果論理で構成されるものをストーリーと呼ぶのだ。
●静止画ではなく動画で捉えるストーリー
なぜ戦略を因果論理で構成されたストーリーとして捉える必要があるのだろう。
楠木氏はストーリーではないものを示して説明を始める。お題は「007 ロシアより愛をこめて」。懐かしい映画を数枚のスライドを使って紙芝居のように説明する。
「007にミッションが下り(次のスライドへ)巨大な悪の存在が判明する。(次のスライドへ)すったもんだの戦いの中、(次のスライドへ)敵方の美人スパイと恋愛関係になるものの、(次のスライドへ)どんでん返しの末、敵をやっつけ、(次のスライドへ)めでたしめでたし…」。ここで場内が笑いに包まれる。こんな説明をされたらどんな名画も見る気がしなくなる。
「映画と同様、静止画でビジネスを説明しても、何が面白いのかさっぱり分からない。わたしが言いたいのは、ビジネスを動画で捉え、動画の中で説明していきましょうということです。動画で捉えればこそ、ストーリーが動き出します」
われわれは、さまざまな企業の成功事例を学ぼうとする。ベストプラクティスをまねようともする。そうしたとき、静止画で考えるか、動画で考えるかどちらかと言えば、当然動画で学ぼうとするだろう。自然とストーリーを求めているわけだ。主要な過払い金のメリット
●常識外れの一手が他社の追随を退ける
では、どんなビジネスストーリーがあるのか。楠木氏は製品の標準化によって長年高水準の経常利益率を維持しつづけているマブチモーターなどの例を挙げ解説した。同社は、顧客の注文に合わせて製品を作っていたため、季節によって作業の繁閑に大きな差ができてしまい、期間作業員を雇うことで固定費を調整していた。しかし、それでは製造ノウハウの蓄積や現場の能力を継続的に向上させることができない。同社は注文に応じたモーターを作るのではなく、用途に合わせた標準的なモーターを大量生産し、その製品が受け入れられることで、さらにコストダウンを実現することができるようになった。
もちろん、マブチモーターの成功には、そこに至るまでの複雑な試行錯誤がある。さまざまなアクション、つまり打ち手が連携して流れ、利益を生み出すというゴールにつながっている。
実際のマブチモーターのストーリーはもっと長い。そしてそれを聞いていると率直に「なるほどなぁ」と感心する。確かに、これはこれですばらしいストーリーだ。しかしわれわれはそこでとどまってはいられない。マブチモーターの成功の要点を学んでビジネスに生かしたい。製品の標準化に取り組むのか、生産現場の作業の平準化を目指すのか…。
そこで当たり前のことに気付く。成功した企業の戦略をストーリーとして捉えるのはいいが、現実には簡単に真似できるものではない。同業他社がある戦略で成長スピードを早めたとしても、それをすぐにまねても同様の効果があるとは限らない。
経営者も幹部も、皆このことを肌感覚で知っている。けもの道を走っている側からすれば、ストーリーを学んで、なるほどと合点がいったとしても、自社の商売に役立たなければ、ただのお話にすぎない。
しかし、けもの道から外れたところでじっとストーリーを見つめている楠木氏は違う。マネができないのは、ストーリーの中に隠されたエッセンスがあるからなのだと考える。楠木氏によれば、成功企業のストーリーは最初から完成形で存在していたのではないと言う。ストーリーのディテールを調べていくと、どの企業も現実の問題に対処をしながらさまざまな手を打っていき、形を変えながらストーリーが完成されていく。
「その中で、成功した企業は同業他社がぜったいにやらない常識外れの一手を出していることが多い。そこが見えなければ、ストーリーが見えたとは言えないだろう」と楠木氏は話す。
例えばマブチモーターの常識ははずれの一手、それは、玩具メーカーなどの注文に応じて製品を作るのが常識だったにもかかわらず、製品を絞りこみ、大量生産をしたことです。そんなことは当時の競合メーカーはこれっぽっちも考えなかったし、マブチモーターの戦略は「暴挙」としか映らないものだった。
●アマゾンがもっとも大切にしたもの
常識外れの一手について、楠木氏はアマゾンを例に説明する。
「今から7年から、8年前のビジネス誌をご覧になってみてください。そこには連日アマゾンをボロボロにけなす記事が出ているはずです。例えば、巨大な倉庫の写真を掲載し、『この倉庫が何だか分かるだろうか。インターネット書店アマゾンが建設した倉庫だ。アマゾンはついに倉庫に多くの本を置き、在庫を抱えることになった。eコマース企業であるアマゾンは在庫を持たないスマートな経営をするのではなかったのか』といった具合です。この時点でアマゾンはもう終わりだという論調が大勢を占めていました。しかし、現実はまったく違っています」
幾多のeコマース企業とはかけ離れた成長をし、巨大企業となったアマゾン。アマゾンの戦略ストーリーの中での、ライバルがぜったいにまねしない一手がこの倉庫を建設し在庫を持つというものだった。
「戦略をストーリーとして捉える目的は、競争における打ち手の違いを明確に見極めることです。競争に勝つには違いを明らかにしなくてはならない。では、その違いをどういう形で打ち出すのかということです」
ここで楠木氏は、1枚のスライドを見せる。アマゾンのビジネスモデルと思われるものを図にしたものと、アマゾンCEOのジェフ・ベゾス氏が創業間もないころに書いたコンセプト図だ。
「左の図は空間的な取引を配置しただけの図です。これをもってビジネスモデルと称し説明されることがほとんどだと思いますが、実はこれはビジネスモデルを説明したことにはなっていません。モノや金の動きが説明されているだけだからです。一方、ベゾス氏が紙ナプキンか何かに書いたのが原型だとされる、右の図。シンプルですが、因果論理が時間の中で捉えられています。私はこれこそが戦略ストーリーを示したものだと思います」
このストーリーの図には、よく見てみると、「倉庫を持って、在庫を抱えてはいけない」ということは当然書いていない。代わって顧客の経験が重要視されている。楠木氏によれば、ベゾス氏は創業するとき、インターネットで24時間いつでも本が買える、あるいは安く買えるという利便性は既存の書店でも実現できる戦略だと考えたという。そしてインターネット書店でしかできないのは、客に合わせて書棚が変化すること、注文をしたらすぐに本が自宅に届けられることのはずだと気付いたのだという。
「つまり、アマゾンが大切にしているのは、顧客がこれまでにない体験をするということなのです。eコマースだから、在庫を持たないと決めつけ、クリックしたらすぐに欲しい本が届けられるという驚くべき体験を提供しない、そんな判断は決してしなかった。何をなすべきことのトップに持ってくるかで企業のビジネスが変わってきます。アマゾンがトップに持ってきたもの、顧客の体験というポイントは今も外れることはありません」
楠木氏の話は確かに戦略に関する話だが、それ自体が読み応えのある、最後まで気の抜けない面白いストーリーだと感じた。「戦略」、「競争」といった言葉でビジネスを考えるとき、「そこにどんなストーリーがあるのか。どんな打ち手が繰り出されたのか」といった視点を持つことはますます重要になるのではないだろうか。@債務整理に対応【大西高弘,ITmedia エグゼクティブ】
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